− ビーンズ王国へ出発 − |
ビーンズ王国への出発の日がやって来た。
「父さん、母さん行ってくるね」
「ウラン、あなたはいつもオモテと一緒にいるのよ。心配だわ、大人しいウランが…」
カエデは目に涙を浮かべながら手を握った。
「母さん大丈夫だから心配しないで。みんなと一緒だから。ソラもいるし。」
オモテが出てきて言った。
「父さんは心配していないぞ、二人がみんなの為になることを信じているそ。そしていつものように元気に帰って来い。母さんと二人で待っているからな。」
ウランは早くも泣きそうだ。ハリオは二人の手をギュッと握り締め、カエデは二人を抱きしめた。力強くオモテが
「それじゃ、行ってきます。」
「行ってきます、オモテが無茶しないように見てるからね。
オモテはそう言うウランの背中を叩いた。二人は家を出て城へ向かった。
「ウラン、僕たちは選ばれた戦士なんだ。」
オモテはにっこり笑って言った。
「わかっているよ、オモテについて行くよ。」
ウランはオモテの後ろを小走りについて行った。
城には、すでにジュウやラグもピースも着いていた。すると城の中から声がする。
「トン、放して。やぱり私も行きたいの。パパとママを助けに行きたい!!」
「カオリ様ダメです、あなたは王国に居ないと…」
トンはカオリのいきなりの行動に慌てていた。 |
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「ターミー様、ターミー様!」
チャンがターミーに事情を話した。
「やはりな…おとなしく城に残るとは思っていなかったが。」
困った顔をしてカオリの元へ行った。
「いい加減にしないか、カオリ。もう少し聞き分けがいいと思っておった。ここで城をまもってもらわないと…」
「ゴンもチャンも居るじゃない。私が居なくても大丈夫よ。」
ターミーの説得は続いた。
この騒ぎにソラとピースは驚いていた。
「カオリちゃんはこの王国の姫なのに、男の子みたいに強いんだ。」
オモテが笑いながら言った。
「彼女に大人しく待ってろと言うのが無理なんだよ。」
ジュウは呆れて言った
「そうだよね。」
ウランは笑って言った。
ピースも薄々感じていた。
「カオリ様は、とても元気でいらっしゃる。ピースも見習わなければ…」
「ソラ、僕とカオリちゃんを比べないでよ。」
ピースはソラを睨みつけた。
すると落ち着いたのか静かになった。カオリは怒った顔で出てきた。
「私も行きたかったけど…」
ターミーを横目で見た。
「残ってこの王国を守ります。パパとママ、皆を助けて下さい。よろしくお願いします。」
一瞬静まり返った。
「私どもにお任せ下さい。カオリ様」
ソラが大きな声で言った。
「それでは、オモテ、ウラン、ジュウ、ラグ、ピースと私、ソラ。それから後から一緒になるゴーザ隊のジョンの7名で行ってまいります。」
皆元気よくビーンズ王国へ出発した。カオリは姿が見えなくなるまでじっと見送った。その横でトンは、また暴れないかドキドキしていた。 |
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